海腹川背 狂想曲


海腹川背 狂想曲

 スーパーファミコン版では売れなさそうなタイトルに相反した独特のルアーアクションにより、売上は予想より多少良かった程度だったものの、ユーザーの満足度は高かったソフトでした。
 プレイステーション版もその流れを汲んでいたようです。(PS版は未プレイのため詳細は判りません)

 そして今年に入り海腹川背ファンが狂喜乱舞することとなります。それはPSPに最新作が登場するということが発表されたからでした。しかし、結果としてファンを思いっきり裏切ることとなります。
 まず、開発元がロケットスタジオだったことです。会社名としてはあまり有名ではありませんが、バグのデパートと称されたカルドセプトサーガの開発元と言えば察しがつくでしょうか。ファミコン聡明期のソフトなら、容量や色・スプライト等の様々な制約があり、仕方がないところもありましたが、その時とは状況は大きく異なります。
 そして制作者の酒井潔さんが全く拘わっていないこと、公式ホームページがタイトルを“海原川背”と間違えていたこと等で不安が広がりました。
 3月14日に体験版が配信されましたが、不安が的中。有り得ないルアーの引っかかり、有り得ない釣り糸の動き、有り得ない加速の仕方など、枚挙に遑がないバグが発見しました。しかし、発売元のマーベラスエンターテイメントはそれらのバグを“仕様”と一蹴し、同月27日に強硬発売することとなりました。
 その結果、2万本の出荷に対して2000本弱しか売れていないという事態になりました。売れなかった最大の原因は海腹川背ファンによる不買運動です。本来ファンというものは多少出来が悪くても購入してしまいます。しかし、このソフトに限って言えば、“名前を騙った偽物“というレッテルが貼られました。

 マーベラスエンターテイメントとしては今年度中に2万本を問屋に納入した時点で実績を計上したことにより、今年度だけを見ると決算はプラスに働くでしょう。しかしその背信行為により、流通の発注の抑制やユーザーの敬遠の可能性も十分に有り得ます。その結果来期以降はどうなるかは判りません。折角“赤川次郎ミステリー 夜想曲-本に招かれた殺人-”や牧場物語のような佳作もラインナップを抱えているのに、このような汚点を残すのは勿体ないです。
 個人的にはSFC版をヴァーチャルコンソールで復活させてPSP版との雲泥の差を実感させて欲しいところですが、SFC版の販売元がゲーム業界から撤退し、会社が存続しているかどうかも不明なことからVCでの配信は厳しそうです。

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2010年11月30日|

カテゴリー:プレステソフト